CxOキャリアストーリー006
CxO キャリアサマリー
吉田 健一 氏
吉田氏: 最初に勤めた会社で上司だった鈴木さん(現スタディスト社CEO)との出会いが大きかったです。当時は業務コンサルタントとして働き、企業のプロセス改善や効率化を支援していました。その後、鈴木さんがスタディストを立ち上げる際に声をかけていただき、創業メンバーとしてプロダクト開発に携わることになりました。
実は、スタディスト入社初日に自分がエンジニアとして採用されたことを知ったんです(笑)。前向きに捉えることができたのは、技術を使って社会にインパクトを与えたいって気持ちが強かったのもありますね。技術ってあくまでツールで、その先に「何を実現したいか」を考えることが自分の中で大事なテーマだったんです。それがCTOというキャリアに結びついていったんだと思います。
-- コンサルタントからエンジニア、そしてCxOへと転換されたんですね。
吉田氏: はい。その経験が、技術を単に追求するだけでなく、ビジネスにどう活かすかという視点を養ってくれました。スタディストでは創業メンバーとして「Teachme Biz」というプロダクトのリリースに関わりました。開発当初はメンバーも限られており手探り状態でしたが、全ての設計に関わった経験は貴重でした。
CTOに就任したのは2016年2月、2017年末には「先行技術開発室」を立ち上げ、CTOと室長を兼任していましたが、8月には室長専任に切り替え、新規事業や技術開発に専念しました。その後も執行役員としての役割は2019年まで続けていますが、CTOとしての期間は約2年ほどですね。
技術とビジネスの橋渡しをする役割を担ったことで、多角的な視点を持てるようになったと感じています。その視点は、現在の技術顧問やコンサルティング業務にも活きています。
吉田氏:私はもともとエンジニア出身ではなく、技術的な教育も受けていませんでした。そのため、技術のキャッチアップや、エンジニアとの共通言語を持つことに苦労しました。また、それとは別にビジネスサイド、技術サイドとのギャップを埋めることも重要だと感じております。例えば、技術領域の重要性を経営陣に理解してもらうことや、逆にビジネスの要件を技術者に正しく伝えることが求められました。そのためには、コミュニケーション能力と相手の立場を理解する力が欠かせないと実感しました。
顧客の視点で意図を正確に汲み取ってコードに落とし込むことで、技術的な壁を乗り越えることができたように思います。
さらに、経営者の方々と接する機会が多いので、刺激を受けることも多いですね。会社全体を俯瞰する視点や高い志を持った方々と話すことで、自分自身の成長にもつながっていると感じます。
-- 吉田さんは複数の会社で活動されていますよね。やりがいや、工夫されていことをお聞かせください。
吉田氏:一つの事業に対する深いコミットメントが難しくなる部分はあります。複数の会社に関わると全体の貢献度が分散し、事業に深く入り込む面白さが薄れることも事実です。それでも、その場にいる時間はフルコミットすることを意識し、その会社の事業について誰よりも考えるよう努めています。
また、新しい分野に挑戦すると毎回多くの学びがあります。自分の経験をもとに提案や改善を進める中で、振り返りの機会を得ることができるんです。この繰り返しによって、自分の知見がさらに深まり、別の業界でも包括的な提案ができるようになってきたと感じています。
-- 柔軟さが増した印象を受けますね。
吉田氏: はい。最初から完璧を目指すよりも、柔軟に対応しながら修正していくことのほうが、現場では重要な場面が多いと気付いたんです。これもいろいろな業界やプロジェクトに関わったおかげだと思っています。
-- 吉田さんの理想とするベンチャーCTOを経ての40代以降のキャリア像(もしくはこれからどうしていきたいか)について教えてください。
吉田氏:急成長ベンチャー企業のCTOとして実践、経験した業務や知識を活かして、多くの成長企業や、非IT企業のIT事業立ち上げなどに関わっていこうと思っております。実際、CxOプラスを通じて、今も住宅建設会社さんの新規SaaS企業に外部CTO的なポジションで支援させてもらっております。
吉田氏: まず大切にしてほしいのは「信頼を裏切らないこと」です。特に複数の会社に関わる場合、時には「ここはもうこれくらいでいいかな」と感じる場面も出てくるかもしれません。でも、その瞬間に信頼を損なわないように、公平な姿勢を貫くことが必要です。どの会社に対しても真摯な気持ちで向き合うことが、長期的に自分のキャリアを支えてくれると思います。
悩むのは当然です。私自身も進路を考える中でたくさん悩みました。でも、その悩みを通じて自分が何を求めているのか、どんなキャリアを歩みたいのかが徐々に見えてくると思います。それが大切なんだと思います。