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【CxOナレッジ】CHROの主な役割

CxO MAGAZINE編集部
2024/12/06 9:12:00

CxOナレッジ011

CHROの主な役割

CHROとは

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CHRO(最高人事責任者、最高人事責任者)は、企業の人事戦略を統括する役割です。特にIT業界では、技術力のある人材確保と、急速な事業成長を支える組織作りが重要な課題となりますそのため、CHROの役割は非常に重要です。CHROは採用、​​育成、組織文化の構築から、社員の取り組みやリーダー育成に至るまで、人材関連の戦略全般をリードします。特にスタートアップから成長企業までの各ステージで求められる役割も大きく変化します。

 

CHROのステージ別役割

シードステージの主なCHROの役割

シード段階では、企業の規模はまだ小さく、限られたリソースでいわば優秀な人材を確保するかが課題です。この段階のCHROの主な役割は以下の通りです。

  • 人材採用の設計と実行:スタートアップに適したスキルセットとマインドセットを持つ人材を特定し、採用プロセスを主導します。
  • 企業文化の基盤作り:創業時の価値観を明確にし、社員全員に浸透させる仕組みを構築します。
  • コンプライアンスの:雇用契約や労働法遵守など、基本的な人事管理体制を整えます。
  • 多機能な役割のサポート:採用以外にも、福利厚生や初期の研修プログラム構築を担当する場合があります。

シリーズAの主なCHROの役割

シリーズAでは、プロダクト市場適合性(PMF)が確認され、組織の拡大が始まります。この段階では、CHROの役割は次のように進化します。

  • 採用プロセスの拡張:成長のスピードに合わせ、採用フローを効率化し、より多くの人材を短期で採用できる体制を構築します。
  • 初期リーダーの育成:チームリーダーやマネージャーの能力開発をじっくり、組織の骨格を作ります。
  • 評価制度の導入:パフォーマンスを正しく評価し、社員のモチベーションを高める仕組みを構築します。
  • 従業員エンゲージメントの向上:社員が会社のビジョンに共感し、努力を持って取り組める環境を整備します。

シリーズBの主なCHROの役割

シリーズBに進み、組織規模がさらに拡大し、業務プロセスが複雑化します。この段階のCHROの役割は次の通りです。

  • 組織構造の最適化:急成長的な対応するために、部門間の役割分担を明確にし、効率組織体制を整えます。
  • スケーラブルな人事制度の構築:大規模な採用や育成を支えるために、スケーラブルな制度を整備します。
  • ダイバー推進:多様な人材を採用し、組織内で包摂的な文化を醸成します。
  • 人事データの活用:従業員データを分析し、戦略的な人事を検討します。

 

シリーズCの主なCHROの役割

シリーズC以降では、企業は成熟期に向かう段階であり、人材と組織の質的な向上が求められます。この段階でのCHROの役割は以下の通りです。

  • リーダーシップ開発の深化:経営幹部や中間管理職を対象に、より高度なリーダーシッププログラムを実施します。
  • 従業員満足度の向上:給与、福利厚生、ワークライフバランスの向上、従業員の満足度を高めます。
  • グローバル人事戦略の策定:国際展開を見据えた人材戦略を設計し、海外オフィスのサポートも行います。
  • 内部コミュニケーションの強化:全社員が同じ方向を向いて取り組めるよう、透明性の高いコミュニケーション体制を確立します。

プレIPOの主なCFOの役割

IPO準備段階では、組織の透明性と安定性が特に重視されます。このフェーズでのCHROの役割は以下の通りです。

  • ガバナンス体制の整備:内部統制や倫理規定を整備し、外部監査に対応できる体制を構築します。
  • 報酬制度の最適化:ストックオプションやインセンティブ制度を調整し、経営陣と社員双方のモチベーションを向上させます。
  • 先進後の組織設計:前進後も持続可能な成長が続くよう、中長期的な組織戦略を立てます。
  • IR活動への貢献:人材戦略の視点から、投資家に対して企業の強みをアピールします。

 

 

CEOとの最適な距離感

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CHROとCEOの関係は、企業文化や人事戦略の成功に直結します。理想的な関係性は次のようなものです:

  • 戦略的パートナーシップ:CEOのビジョンを人材戦略に落とし込み、共通の目標に向けて連携します。
  • 透明なコミュニケーション:組織の課題や機会について、率直かつ正確な情報を共有します。
  • 補完的なスキル:CEOが短期的な目標に集中する、CHROは中長期的な組織戦略に焦点を当てます。


CHROに必要な経験

優れたCHROには以下のような経験が求められます。
  • 人事管理の専門知識:採用、報酬、パフォーマンス管理、労務などの幅広い分野での経験。
  • 成長企業での実績:スタートアップやスケールアップ企業での拡大組織の経験。
  • リーダーシップ育成のスキル:経営層や管理職を効果的に育成できる能力。
  • 文化構築の実績:企業文化を定義し、それを全社に浸透させた経験。
  • 多様な業界での経験:異業種や国際環境での人事戦略の経験があると強みになります。

 

こんなCHROは嫌だ?

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  • 戦略性が欠けている:採用や労務に追われ、組織全体の成長を見据えた戦略を立てられない。
  • 現場との断絶:現場の課題や社員の声を理解せず、トップダウン型の覚悟を貫く。
  • 変化への抵抗:IT業界の急速な変化に対応できず、旧態依然とした方法に従う。
  • コミュニケーション不足:CEOや他のCxOとの連携が弱く、組織全体の方向性に影響を与えられない。

 


CHROは、単なる人事管理者ではなく、企業の成長と成功を支える戦略的なパートナーであり、組織全体の未来を見据えた重要な存在です。